2012年7月14日土曜日

推理よりもミステリィ

今回は小説の話。 以前はわりかし本読みをしていたという話題は前もしましたが、読んでいた小説をジャンルで分けると好みなのがミステリィと伝奇だったりします。 特にミステリィ小説は一番多く読んでいるジャンルの1つで、今でもミステリィを中心で読んでいます。

ミステリィと聞けば多くの人が何故か推理小説を連想してしまうらしいですね。個人的な経験から言ってもそういった傾向があるように思います。
またそう考えている人たちは、「犯人だ誰だ?」とか「この事件のトリックはこうじゃないか?」と考えを巡らすようなことをメインの関心事に据えて物語を読み進めていることがそれなりにあるという話も見聞きしたことがあります。
ただどうやら自分は読書をしながらそんなことを考えることはしないタイプらしく、終盤で解き明かされるトリックや真犯人の正体も「へぇ~そうだったのか」のひと言で消化するのがお決まりのパターンとなっています。
聞こえの良い表現をすると、物語で提示される謎はあくまでその作品を彩る単なる要素であり、注目すべきはその話の全体の流れや幾つかあるテーマの掘り下げだという認識でしょうか。 実際は考えるだけの頭の回転がないだけなんですがね(笑)


ですから、個人的には推理に重点を置いたいわゆる"本格モノ"という作品はあまり手に取ることはなく、そういった部分もありつつ謎めいた雰囲気を持っている"ミステリィ"の方が好きなのです。 本格とミステリィなどの定義は正直曖昧ですが、要はエンターテイメントの方向性の違いではないか、と自分では解釈しています。

さて、今回読了したのはもちろん私が言うところのミステリィに属するもので、恩田陸氏の「麦の海に沈む果実」という作品で、ファンの間では主人公の名前から「理瀬シリーズ」、またもっと広い視野から見て「三月シリーズ」などと呼ばれているシリーズの1つになります。
この作品は、適度に軽くて少し奇妙な謎、そして魅力的なキャラクタや設定が織り交ぜられており、先述の通りあれこれ考えて読み進めるのが苦手な自分にはこの作品は最適なものの1つです。
もう何度目かという再読でしたが、今回もやはり楽しく読むことができました。 作品の雰囲気に身を任せたまま最後まで読み終えることほど、読者冥利に尽きる物語はないでしょう。
エンターテイメント性の強い多彩な作品を手掛ける恩田陸氏の真骨頂とも言える作品です。


というわけで、今回は予告通り読書レビューでした。 変な天気が多発している時期ですので、そんなときはゆっくり本を読むのも一興でしょう。
ではまた次回。


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